2017年3月14日限定で三和交通とカンロがコラボした「Happy White Day to you コラタク」キャンペーン。今回は、コラボ秘話や他のコラボの取り組みについて、三和交通 広報部の眞壁広貴(まかべひろき)さんにお話を伺ってきました。
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多種多様なニーズに応えるタクシー会社

(株)三和交通ってどんな会社なんですか?

東京、神奈川、埼玉などで営業しているタクシー会社です。弊社は主に横浜の京浜エリアを担当しています。3、4年前までは、普通のタクシー業のみだったのですが、いまではタクシーをつかった企画性のあるサービスも行っています。

そのきっかけになったのが、2013年の「タートルタクシー」の運行です。タートルタクシーとは、後部座席にあるボタンを押すとゆっくり走るサービスです。

「後部座席からエコドライブに協力してもらう」がコンセプト

「タクシーに乗る方は急いでいる方だけではない」という盲点を発見したことが、企画のはじまりでした。タクシーの運転手はお客様に「急いでください」とよく言われるので、「お客様=急いでいる」と思い込んでいたんです。しかし、外部の方々にアンケートを実施してみたところ、じつは7割以上の方が急いでいないことがわかったんです。逆に、安全面で不安を感じている方のほうが多かったんです。いままで思いもよらなかった新しい切り口の企画でした。

この企画は、2014年の「グッドデザイン賞」を受賞し、カンヌでは最終審査までいきました。これがきっかけとなり、企画性のある色々なサービスに取り組みはじめました。

普段、眞壁さんはどんなお仕事をされているんですか?

広報の仕事をしています。また、現場でタクシーの配車や、乗車員の教育、管理など現場での指導も行っています。「タートルタクシー」が海外のメディアでも多く取り上げていただいたことで、正式に広報部が立ち上がりました。面白いことやるとメディアはちゃんと拾ってくれることに気づいたんです。

その後、自社で企画した「心霊スポット巡礼ツアー」という心霊スポットを巡るツアーが爆発的な人気になりました。「タクシーと幽霊は親和性が高いから、絶対にウケる!」という社長のアイディアでした。社内では猛反対だったんですが、結果的に大好評で、いまでは毎夏の恒例イベントになっています(笑)

タクシーで心霊スポットを巡るツアー企画が大ヒット!!

企画も自社で考案されているんですね!

はい。とくに企画立案には力をいれていて、新サービスの企画会議は月1で行っています。各現場の意見を汲み取り、社内で出たアイディアとまとめて毎月1つ企画を実施しています。タクシーに乗る方には多種多様なニーズがあるので、どんな企画でもとりあえずやってみます。ダメだったらやめればいいやという感じです。

また、弊社はタクシー会社とは思えないくらい、管理職は若い人ばかりです。若い人に興味を持ってもらうために、YouTube、ニコ生で中途の説明会やご飯のリポート(笑)など自由になんでもやっています。いまではYouTubeのチャンネル登録者数は1300人超えです。おもしろそうなことやってる会社だなと思ってもらえることがゴールですね。

同じく広報部の小澤さん。YouTubeやニコ生で、会社の説明会、ゲーム中継、お昼ご飯のリポートなど、日々動画を配信中。

タクシーを「広告塔」として活用

—カンロ(株)とのコラボのきっかけは?

漠然となにかおもしろいことやりたいなと思っていたんです。そんなとき、銀行を通して企業マッチングのお話をいただきました。そのなかでカンロさんにご興味をもっていただき、アポイントをとったのがきっかけです。

その当時カンロさんは、新しいボイスケアのど飴を開発中で、その商品をより広めるためにタクシーを広告塔としてつかうアイディアが浮かびました。2017年のホワイトデー1日限定で2万6千個を配布。もともと女性ドライバーが、バレンタインにチョコレートをお客様に渡したいというところから要望があったので、本当はバレンタインデーに間に合わせたかったのですが、いろいろ準備に時間がかかってしまい間に合いませんでした。

のど飴と一緒に配布したオリジナルカード。

コンセプトとターゲットは?

「働く世代日々声を張っている方々に」です。ビジネスでタクシーをご利用される方に向けたキャンペーンでした。プロモーションをあんまりしてないのですが、39社のメディアに紹介していただきました。お客様やドライバーにも喜んでもらえました。広告とコラボでは全然反応が違いますね。他社さんと一緒に企画をつくることはとても新鮮でした。

コラボして良かった点、苦労点を教えてください

弊社の広報部ができたてだったので、いろいろと体制が整っておらずメディアの対応などに苦労しました。

良い点としては、大手とコラボすることで話題になり、タクシー業界全体に新しい風を吹かせられたことですね。

これをきっかけに、2017年のエイプリルフールに「ロボットタクシー」を実施しました。タクシーの部品だけでロボットを作ったんです。いままで誰も想像しなかったタクシーの意外な一面を伝えられたかと思います。SNSでの反響が大きくとても盛り上がりました。そして、発表後にTwitterで話題になったところ、タカラトミーさんにお声をかけていただき、「トランスフォーマー」のイベントを開催しました。

2017年4月には「ロボットタクシー」が話題に!

タクシーの部品のみで、このクオリティの高さ!

また、2018年のエイプリルフールは映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の「デロリアン」をオマージュした企画を実施しました。遠方からお子さんが写真を撮りに来てくれて嬉しかったですね。「デロリアン」の反響は「ロボットタクシー」ほどではなかったんですが…。社長は「来年は月に行く?」なんて言っています(笑)

タクシーの意外でおもしろい一面を伝えたい

今後どんなコラボをしたいですか?

キーワードは「意外性」です。タクシーの意外でおもしろい一面を伝えられるような企画がしたいですね。あとは、ツアー系のものもどんどんやっていきたいです。他社さんでは、「ご当地戦国武将タクシー」などをやっていて、ああいうのができたらなと思っています。こういったことを他のタクシー会社も巻き込んでやっていきたいですね。

弊社は、変わった企画に傾倒しているように思われがちですが、長年「お客様との接遇」をベースに営業しています。これからもそこは変わらず、色々な形でお客様に、感動と喜びを与えられるよう努力しつづけていきます。

「色々変わったことをやっているけど、ふざけてばかりじゃないよ」ってことは最後にしっかり伝えておきたいですね(笑)

—-ありがとうございました!