第11回 コラボの裏側

2015年11月から発売を開始した、株式会社サン・スマイルの人気シリーズ「デリシャスリップ」が株式会社不二家と今年もコラボ!2019年は、昨年大好評だった「ミルキーの香り」のリニューアルに加え、「レモンスカッシュの香り」「LOOK チョコミントの香り」を発売。デリシャスリップの企画・開発を行った株式会社サン・スマイルの製造管理課の奈良岡麻里子さん、商品製造課の坂尻佳奈美さん、広報の市来理恵さんにお話を伺いました。

ーーまず、サンスマイルさんはどのような会社なのですか?

もともと海外のブランド品の並行輸入や雑貨の卸業を行っている会社でしたが、 まだ化粧品のフェイスパックがエステなどの高価格帯でしか体験できなかった時代に、日本で初めて1枚入りフェイスパックを手に取りやすい価格で販売した会社です。今では、フェイスパックだけでなく、化粧品全般を企画・製造し、全国のドラッグストアやバラエティショップなど約1万店舗で展開しています。メーカーでもあり、卸でもあり、何でも屋です。主力オリジナルブランドには「PureSmile」や「CHOOSY」などがあります。

ーーどうしてデリシャスリップを作ろうと思ったのですか?

最初はこの企画を担当した坂尻の「パンの香りのリップクリームが欲しい」という思いから企画がスタートしました。社内では「パンのリップ!?」と、あまりピンとこないような反応だったのですが、そのときいたスタッフの子が「食いしん坊リップとかだったら欲しい」という発言から、食いしん坊という女の子の可愛い部分に着目して、まるで食べているような美味しい匂いのリップの開発が始まりました。そこからデリシャスリップが生まれ、「キャラメルポップコーンの香り」「焼きいもの香り」「パンの香り」の三種類が発売されました。

人気の「焼きいもの香り」「キャラメルポップコーンの香り」そして「アップルパイの香り」

 

ーーそこからどのように不二家さんとのコラボに繋がったのでしょう? 

デリシャスリップがとても好評だったので、次はよりリアルに、具体的な商品をイメージして作ろうという話になり、社内で「なんの香りだったら食べたいか。塗ったときに美味しものを食べたときのような幸せな気持ちになれるか」と意見を聞いたところ不二家様の商品がいくつも上がったので、不二家様にお声かけしました。そのときはカントリーマアムのデリシャスリップを作り、昨年は「ミルキーの香り」と「ネクターの香り」、今年はリニューアルした「ミルキーの香り」に加え、「レモンスカッシュの香り」「LOOK チョコミントの香り」と3年連続でコラボさせていただいてます。

2019年に発売された「ミルキーの香り」「LOOK チョコミントの香り」「レモンスカッシュの香り」

 

ーーユーザーからはどのような反響がありましたか?

お客様の投稿からテレビでも取り上げられ、そこから問い合わせも一気に増えました。使った方がSNSで写真を上げてくださったことがきっかけでラジオ番組で紹介されたりもしました。リアルな匂いのリップ、愛されているお菓子をイメージしたリップという理由から、幅広い世代の方が使ってくれています。

ーー商品を開発する上で苦労したことはありましたか?

食品に使える香料と化粧品に使える香料は違うので、単純に同じ香料を入れて同じ匂いにするということができず、もし同じ匂いを再現できても、化粧品の成分をいれるとまた匂いが変わったりするので再現にはとても苦労しました。何度も香料の調合をやり直し、これ以上出来ないと調香師さんを困らせるほど、繰り返し行いました。

ーー匂いを似せるのはとても大変だったのですね。

何度も食べながらサンプルの匂いをかぐというのを繰り返しました。また、食べ物はいろんな味がミックスされてひとつの味、匂いの印象になっていますが、香りはひとつしか再現できないので、匂いをかいだだけでその商品の味と認識してもらえるかということを大切にしました。例えば「LOOKチョコミント」だとチョコとミントで層が分かれているけど、香りとしてはチョコミントとしての全体的な香りを表現しています。

ーー今後はどんな商品とコラボしたいですか?

甘いものを食べる代わりに使ってくださっている女性も多いので、甘くて美味しい3時のおやつで食べたくなるものや、家族の思い出の味、幸せを感じた食べ物をリップクリームにすることで、「これ美味しいよね」と楽しんでいただける商品とコラボしていきたいです。

ーーありがとうございました!